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川辺ナホ 個展『Save for the Noon / 昼のために』

開催期間2018年10月27日(土)~2018年11月25日(日)
休館月曜・火曜・祝日
時間水〜土曜 12-19時、日曜 12-17時
会場WAITINGROOM
ホームページhttp://waitingroom.jp/japanese/exhibitions/upcoming.html
住所東京都文京区水道2-14-2長島ビル1F
お問い合わせ先info@waitingroom.jp
『Eine echte Frau löst jeden Knoten /真の女性はすべての結び目を解く』2018年、シングルチャンネルビデオ、サウンド
『Rope Mother』2018年、水彩、297 × 210 mm
『Rope Mother』2018年、水彩、297 × 210 mm
WAITINGROOM(東京)では、2018年10月27日(土)から11月25日(日)まで、川辺ナホの個展『Save for the Noon / 昼のために』を開催いたします。川辺は、ドイツと日本を拠点に活動し、マテリアルの変換をテーマに、映像や複数のオブジェを組み合わせたインスタレーションなど、メディアを横断して作品を制作しているアーティストです。当ギャラリーでは1年半ぶり2度目の個展となる本展では、主に手の反復作業をテーマに、1956年に旧東ドイツから亡命した女性が小さな木炭の塊を紐でもう一度一つの木の形にまとめ上げる過程を撮影したビデオ作品、小説の中のすべての「 I(私)」の文字を切り取り網目状に縫い合わせた彫刻作品、床に炭が敷かれたインスタレーション、コンセプトドローイングなど、すべて新作で構成されます。また、2018年11月2日(金)から11月18日(日)まで、福岡のkonya-galleryでも個展『In Other Words / 言い換えると』が同時開催されます。



作家・川辺ナホについて
1976年福岡県生まれ、現在はドイツと日本を拠点に活動中。1999年に武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業後、2006年にUniversity of Fine Arts of Hamburgを修了。近年の展覧会として、2018年グループ展『Landschaft. Gebrochene Idylle』(Schloß Agathenburg / アガーテンブルク・ドイツ)、2017年個展『The Children of Icarus』(WAITINGROOM / 東京)、2017年グループ展『スマートイルミネーション横浜2017』(象の鼻パーク / 神奈川)、2016年個展『delikatelinien』(Ermekeilkaserne / ボン・ドイツ)、2016年グループ展『The Material of Memory』(Frise / ハンブルク・ドイツ)、『Lifestyles』(Westwerk / ハンブルク・ドイツ)、2014年グループ展『想像しなおし』(福岡市美術館 / 福岡)、2014年個展『piece, piece (with Jane Brucker)』(Port Gallery T / 大阪)、2013年個展『Observer Effect』(Galerie du Tableau / マルセイユ・フランス)、2011年個展『Shiseido Art Egg / Open Secret』(Shiseido Gallery / 東京)などが挙げられ、国内外で精力的に活動しています。



作家ステートメント(抜粋)
「1961年 ベルリンの壁の建設とアポロ計画が始まった」
アポロ計画で使用されたアポロ誘導コンピュータにはロープコアメモリが使われた。磁石を通した銅線をロープのように纏めることで、小さい面積に多くの情報をセーブすることができたからだ。ロープコアメモリは別名LOL/リトルオールドレイディと呼ばれ、メモリの製造を担っていたのは女性の工員たちだった。当時の生産工場の写真を見ると、まるで織物工場のように、女工員たちがひと針ひと針、銅線を基盤に縫い付けて行っている。織る、編む技術は古来から続く人類特有の最も古い技術のひとつだ。そして、そのフレキシブルでどこからでも増幅可能な構造は、現代社会の私たちの生活を覆い、目に見えない紐付けで個人を絡め取ってゆく、システム技術に繋がってゆく。(中略)
ビデオでは、ドイツが分断されていた時代の郵便の行き来やベルリンの東西を横断していた市電網の証言から、境界線は拡大すると実は網目状であり、そこをすり抜けていった住民たちの日常があったことを明らかにする。ベルリンの壁建設と同時期に始まったアポロ計画の残留物は月面着陸という大事業が残したものとしては、滑稽なほど馬鹿らしいものも多い。AmazonのCEO、ペゾスは月への再着陸と植民地化計画を進めている。月面に建てられたアメリカの旗は現在全て白旗になってしまっているそうだ。アマゾンは月の砂漠にどんな旗を立てる気でいるのだろう。 
川辺ナホ



分断し、繋ぎ合わせ、歴史を編む1本の糸
川辺は、制作過程の中で、マテリアルについて慎重なリサーチを行います。物質としての成り立ちや、歴史上の出来事、現代における問題といった社会的文脈を明らかにした上で、異なった位相の情報がいくつも付随するそのマテリアルを「変換」します。分解したり、繋ぎ合わせたり、別のモチーフを表したりといった「変換」を自らの手で行うことが、彼女の作品制作のベースにあります。
本展覧会で発表される新作群に特徴的なのは、織る・編むという行為です。繊維を縒り糸にして、それを平面にするという、ミニマルで気の遠くなるような作業の反復は、産業革命から半世紀が経った現在も人の手で行われ続けています。川辺の作品は、何億光年もの距離も、何億年もの時間をも越えて、思わぬところに存在することになったモノたちの物語に焦点を当てることで、定められた国境線や月面着陸といった人類の歴史さえも、紛れもなく人間の時間軸の中で編み上げられたものであることを示唆しているようです。
ドイツと日本の2国を拠点に活動する川辺は、例えば時勢によって流動的に分断される国境線のような境界を「ダイナミックな『変換』が絶えず行われ続ける混沌とした場所」と捉えています。「私たちの社会の中にある様々な境界線を観察し、抽出し形にすることは、その時代の輪郭を残すことになるのではないか。」と彼女が考えるように、川辺は適切に選びとられたマテリアルを用い、この時代に、この世界で巻き起こっている「変換」に形を与えることを、作品制作を通して試み続けています。

本展覧会期中に、福岡のkonya-galleryにて、個展『In Other Words / 言い換えると』が同時開催されます。両展覧会を通し、同テーマで発表される川辺ナホの意欲的な新作群を、是非ともご高覧ください。

同時開催:
川辺ナホ『In Other Words / 言い換えると』
会期:2018年11月2日(金)- 11月18日(日)(定休日:月)
会場:konya-gallery(〒810-0041 福岡県福岡市中央区大名1-14–28 第一松村ビル2F)
レセプション:11月2日(金)18:30-20:30
※19:00-キュレーター、アーティストによるギャラリートーク
企画・制作:正路佐知子
詳細:http://konya2023.travelers-project.info/1012-28112-18-konya-gallery-10周年企画-ゲストディレクタープログラムvol/
樹々あそぶ庭々
2018/10/27~2018/12/9

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